NOBUO SENSEI’S BODY LESSON
アンディオールは、
足先ではなく股関節から
BASIC ANSWER
アンディオール(ターンアウト)とは?
股関節を起点に脚全体を外向きに使い、立つ・動く・止まる間もそのつながりを保つバレエの基本技術です。
この動画でいう「アンディオール」は、脚の外向きの使い方、一般にターンアウトと呼ばれる内容を指します。ピルエットなどの回転方向を表すフランス語の「en dehors」と同じ表記でも、ここでは回転の方向ではなく、脚を股関節から外へ使うテーマとして解説しています。
WHO THIS IS FOR
アンディオールでこんな悩みがある方へ
- 足先だけを外へ開いてしまう
- 膝や足首にねじれや痛みを感じる
- 動き始めると脚が内向きへ戻る
- 「締める」と太ももを内へ寄せて固まる
- 脚を上げると前ももだけが疲れる
- 脚を下ろすと外向きがほどける
- クロワゼやアチチュードの膝の方向に迷う
THREE PRINCIPLES
股関節からアンディオールを使う3つの要点
腿全体を外へ張る
足先だけを開かず、股関節から腿を外側へ使います。藤野先生は、腿を股関節の幅より外へ張り出すイメージで説明しています。
中心は支え、脚は外へ
「締める」を太もも同士を内へ押しつけることにせず、腰・お腹は中心へ支えながら、脚には外へ広がる方向を与えます。
膝とつま先をつなぐ
足だけを必要以上に開かず、股関節から始まる外向きの流れに膝とつま先をそろえます。ねじれや痛みが出ない範囲を使います。
角度について:ターンアウトの可動域には個人差があります。180度に見せることを優先して足先だけを開いたり、床の摩擦で固定したりしないでください。
LIFT & LOWER
脚は前ももで引き上げず、後ろ側から“めくり上げる”
| 動作 | 藤野先生が示す意識 |
|---|---|
| 立つ | 股関節から腿を外へ張り、腰・お腹は中心へ支えます。足先だけで外向きの形を作りません。 |
| 脚を上げる | 前ももだけで持ち上げず、膝裏から内もも裏、坐骨側へ続く後ろ側で脚をすくい上げるイメージを使います。 |
| 形を保つ | クロワゼやアチチュードでも、足先だけでなく、股関節から膝へ続く方向を確認します。 |
| 脚を下ろす | 力を抜いて落とさず、外向きのつながりと体幹の支えを保ったまま、床まで丁寧に戻します。 |
WHY IT MATTERS
外向きに立つことを、動きやすさへつなげる
アンディオールは、外向きの形を見せるだけでなく、前・後ろ・横へ動き出し、止まるための身体の準備です。
藤野先生は、外向きに脚を使うことで、複数の方向へ動きやすく、ブレーキもかけやすい状態を目指せると説明しています。立っているときだけ開くのではなく、脚を上げる、下ろす、方向を変える場面までつながりを保つことが、踊りの中で使えるアンディオールです。
3-STEP TURNOUT CHECK
足先を開く前に、股関節からのつながりを確かめる
小さな角度で立つ
バーに手を添え、膝とつま先が同じ方向を向ける無理のない角度で立ちます。最大の開きを目指しません。
浅いプリエで確認する
浅く膝を曲げ、膝が足先の方向から内側・外側へ外れないかを観察します。足裏が床から崩れない範囲で行います。
低いタンジュへつなぐ
腰・お腹を支え、腿を外へ使ったままゆっくりタンジュを行います。出すときも戻すときも膝とつま先をそろえます。
安全のために:股関節、膝、足首に痛み、引っかかり、しびれがある場合は中止してください。痛みを我慢して可動域を広げず、必要に応じて指導者や医療専門職へご相談ください。
COMMON MISUNDERSTANDINGS
アンディオールで起こりやすい捉え違い
| 捉え違い | 見直すポイント |
|---|---|
| 足先を大きく開けばよい | 股関節からの外向きより足先の角度が大きいと、膝や足首へねじれが生じやすくなります。方向をそろえます。 |
| 脚を内へ強く締める | 太もも同士を押しつけるのではなく、腰・お腹は支え、腿は股関節から外へ使います。 |
| 前ももで脚を上げる | 膝裏・内もも裏・坐骨側から脚をすくい上げるイメージを使い、股関節からの外向きを保ちます。 |
| 立つときだけ開く | 動き始め、脚を上げる間、下ろす間まで、同じ外向きのつながりを保てる範囲で練習します。 |
FROM READING TO PRACTICE
記事で理解し、動画で脚が回る方向を確かめる
この記事で要点を整理
足先だけで開く方法と、股関節から腿を外へ使うアンディオールの違いを理解します。
先生の身体の方向を見る
腿を外へ張る方向と、脚の後ろ側から“めくり上げる”動きを藤野先生の実演で確認します。
小さな動きで育てる
無理のない角度からプリエ、タンジュへつなげ、動く間も股関節・膝・つま先の方向を保ちます。
WATCH ON BALLET TV
腿を外へ張る方向を、藤野先生の動きで確認する
文章だけでは伝わりにくい、股関節から腿が回る方向、腰・お腹の支え、脚を後ろ側から上げ下げする感覚を映像で学べます。視聴にはバレエTVへのログインと対象プランの登録が必要です。最新の条件は動画ページでご確認ください。
EXPERT PROFILE
解説者|藤野暢央(ふじの・のぶお)先生
バレエダンサー/バレエピラティス講師/藤野富村バレエアート主宰
12歳よりバレエを始め、オーストラリア・バレエ学校へ留学。1997年に同校を主席で卒業後、香港バレエ団へ入団し、2002年にプリンシパルへ昇格。2005年から2007年までオーストラリア・バレエ団でシニアソリストを務めました。帰国後は舞台出演、振付、バレエピラティスの指導など幅広く活動しています。
バレエ安全指導者資格®︎でも講師を務め、ダンサーとしての経験と身体への理解を結びながら、動きを分かりやすく伝えています。
足先の形から、動けるアンディオールへ。
「ノブオ先生のカラダ講座」では、身体の構造と感覚をつなぐ解説をアーカイブで学べます。まずは「アンディオールって、なにっ?」からご覧ください。
