未知なる日々と母になった私
今回は、出産、育児のお話をしたいと思います。
仕事を続けながら、なんとなく思い描いていた「30歳までに結婚!」という目標が叶い、ありがたいことに子どもも授かることができました。
妊娠期には、職場で焚いていたアロマの香りが急に辛く感じられる時期もありましたが、退職するまでは比較的仕事に集中でき、気づけばあっという間に過ぎていったように思います。当時は育休制度が十分に整っていなかったこともあり、妊娠8ヶ月までは自分の判断で勤務を続けました。やりがいのある楽しい仕事だっただけに辞めるときには寂しさもありましたが、こればっかりはどうしようもなく、保育園やこれからの生活環境については「その時がきたら考えよう」と思っていました。
出産までは、それまでと大きく変わらない日々を送りながら、お腹の赤ちゃんのために食事を意識して過ごしました。その結果、体重がぐんぐん増えてしまい、最後には先生から「これ以上は増やさないように」と注意を受けることに。とはいえ、大きなトラブルはなく、鉄剤を処方された程度で順調な妊娠生活でした。
1週間おきの診察でも、直前の診察でも産院の先生からは「予定日は過ぎそうだね」と言われていたものの、実際には予定日より1週間早くその時が訪れました。ベテランの先生でも、そして医学がどれほど進んでも、赤ちゃんが生まれてくるタイミングだけは読み切れないもの。人の力では計り知れない自然の神秘を強く感じました。
28時間に及ぶ難産の末、朦朧としながら迎えた初めての出産は、やはり特別な体験でした。同じく夫にとっても初めての体験。人の体から新しい命が誕生する瞬間は、想像をはるかに超えたものでした。気づけば夫の目から自然に涙がキラリ。今まであまり感情を表に出すことがなかったので、その瞬間、「私はすごいことを成し遂げたんだ」と実感しました。そして、初めて対面した我が子に向かって思わず「ありがとう」と感謝の言葉がこぼれていました。
この瞬間、妊婦から母親に。何をしてあげればいいのか、何をしてはいけないのか、今ほどネットやSNSで調べて何でも教えてくれる時代ではなく、赤ちゃんとひたすら向き合い、子育ての正解を求める格闘の日々が始まりました。
産後の身体に関しても特に問題はなく、妊娠中に増え続けていた体重も気づけば元通り。自然に育児格闘ダイエットが成功です。
次回は、保育園の待機児童問題に直面し、働きたくても働けないもどかしい時期のこと、そして子どもの成長とともに変化していった自分自身の感情について綴っていきたいと思います。
進藤香織
編集部より
今回も大変貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
文章からは、当時のお仕事や妊娠生活、そして出産という大きな経験が丁寧に描かれていて、そのご様子がとても温かく伝わってきました。難産を乗り越えてお子さんと対面したときの感動や、ご主人の涙に気づいた瞬間の気持ちは、読んでいるこちらにも胸に響きました。まさに「命の誕生」がどれほど特別で大切なものかを改めて感じさせてくれます。
今の時代は、結婚や出産をする人もしない人もいて、それぞれが自分らしい人生を選べるようになってきています。お話にもありますが、個人ではなく社会の空気として「何歳までに結婚」といった目標が当たり前だった世代から、結婚や出産をしない選択肢も自然に受け入れられる世代へと移り変わってきています。その多様さがあるからこそ、自分の選択にはない、お一人お一人の人生の体験談がますます貴重に感じられます。
一方で、社会全体としては少子化という大きな課題に直面しています。だからこそ、「子どもを授かり、命を迎え入れる」という体験を語ってくださることには大きな意味があるのだと感じます。出産や子育てのリアルな喜びや大変さを知ることは、これから親になる人への励みにもなりますし、「出産しない選択」をする方にとっても、別の人生の物語に触れるあたたかな機会になると思います。
結婚や出産の有無に関わらず、どの選択も尊重される今だからこそ、進藤さんの今回のお話は「人生の豊かさ」を教えてくれる大切なものだと心から思いました。
また次回のお話も楽しみにしております。
進藤香織先生プロフィール

桜井勢以子バレエ研究所にて桜井勢以子、石田泰巳に師事。
大学卒業後、ボディケアセラピストとしてボディメンテナス技術を習得。
バレエを取り入れたエクササイズのバレトン®︎インストラクター資格取得。
JADP認定乳幼児リトミックインストラクター®︎資格取得。
現在、桜井勢以子バレエ研究所にてバレトンクラスと親子バレエクラスの講師
バレエ安全指導者資格®ベーシック講座、プロフェッショナル講座修了。
バレエ安全指導者資格®︎認定講師。
【桜井勢以子バレエ研究所】
https://sakurai-ballet.com
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