神経性やせ症について~退院はスタート編~
このコラムが始まってから、続きを楽しみにしてくださったり、経験を話してくださったり、温かいコメントいただいたりと、とても励みとなっています。
感謝を申し上げます…!
「神経性やせ症」は退院できたら終わりではありません。今回は、退院後に感じた不安とそれにどう⽴ち向かったかについて綴りたいと思います。
過⾷症になるのではないか、本当に治るのかという不安との戦いが⼤きくありました。⼊院中は⾷事の時間や量は管理されていたので安⼼してこなしていましたが、退院したら当然⾃分でコントロールしなければなりません。まだカロリー借⾦が残っていて、⾷べなければならない。⾝体を修復しなければならない。けど、せっかく動けるようになったし、踊りた い。トレーニングをして「踊れる体」にしていきたい。とにかくカロリーが必要なので、 いっぱい⾷べればいいと思っても、フルだった頃の⾝体とは違って、消化吸収の能⼒もまだまだ良い質とは⾔えず、「今まで通り」と思っても体がついてこない。これは過⾷症になってしまったのかな?と不安になって量を減らす…
踊ろうとしても、運動をしていなかった分、今までより⾝体は動かなくて、また⾷事の量や内容を減らす…
こうやって「神経性やせ症」はいつまでも棲みついているのです。これは精神的な問題だけではなく、⾝体的な反応も伴っていたと思います。適切な⾷事の量は?適切なトレーニングと休息の塩梅は?環境が変われば全てがふりだしに戻ったような感覚でした。復活できてよかったね!もう⼤丈夫なの?と声をかけてくれてくれる⼈にはもう⼼配をかけたくないという気持ちもあり、なかなか相談はできずにいました。思うように進まない、時間がかかりすぎる…と焦りが増していきます。この状態は1年ほど続き、感じる機能すら衰えていた⼊院期に⽐べて、感受性や知能は回復していたこともあり、⼊院よりもしんどいなと思っていました。今となっては、こういう時にサポートのできる環境を作りたいと考えています。
さて、いつまでもクヨクヨしていても進みません。思うようにいかない嫌な⾃分と向き合いながらも進むために、「ポジティブな逃げ道」を作っていました。⼤きく分けて3つあります。
・好きなものを⾷べる
・学ぶ
・アウトプットする
やっぱり栄養のことを考えなきゃ、きちんとしなきゃという思考が過度になって、「これは⾷べてはいけない」と⾃分を苦しめる時がありました。しかし、修復のエネルギーのためには、どれだけ⾷べても⼤丈夫・何でも⾷べて⼤丈夫な、嬉しい状況でもあります。それに気づいてから、⼼も楽になって、積極的に様々なものを⾷べられるようになりました。私はソフトクリームが⼤好きです。脂肪も糖質も取れるし?!とか⾔いながら、沢⼭⾷べていました。(多い時で1⽇3個笑)周わりの⼈もそれを否定せずに受け⼊れてくれ、積み重ねることで、少しずつ他のものも含めて量も安⼼して⾷べられるようになっていきました。
また、⾃分に合ったものを⾷べるのも良かったです。私の場合はBCCAの⼊ったプロテインバーを補⾷として⾷べるようになってから、⾝体が好調に向かいました。⾷べることは⾝体の栄養になるだけではなく、幸せであることを再び感じられるようになっていきました。
上⼿くいかない⾃分と向き合い続けることは⼤変なことです。
1番落ち込んでいた時、知り合いから「まいっか」と思うことが⾜りないよ、と⾔われたことがあります。
⽢いものをたくさん⾷べてしまった!→たくさん思考したから「まいっか」
トレーニングができなかった!→休憩した分、明⽇はたくさん動けるから「まいっか」
どれだけ⼩さく「まいっか」と⾔えるかということが、少しずつ進んでいくポイントであるように感じました。
⼼⾝ともに⼤きな影響のある「神経性やせ症」
⾷事に関しては、栄養バランスを考えてくれる⺟の⼒、⼼の⾯ではダンスに関係する⼈や踊ること⾃体が⽀えとなっていました。周りの⼤きな⽀えに感謝しつつ、頼りきれない部分もあります。この「ポジティブな逃げ道」はサポートの他にも⾃ら拠り所を作ることだと思っています。
「学ぶ」「アウトプットする」については、次回綴りたいと思います。
杉本音音
杉本音音先生プロフィール

1996年生まれ。東京都世田谷区出身。4歳より新体操とクラシックバレエ、15歳でコンテンポラリーダンスに出会う。立教大学現代心理学部映像身体学科卒業。新体操指導歴6年。
様々な振付家の作品に出演。ワークショップも行う。階段を振付として使用したダンス作品「6steps」プロジェクトメンバー。(コンセプト・発起人:木村玲奈)
その他、音楽・写真・テキスタイル・美術・映像など他分野とコラボレーションでの企画、振付、パフォーマンスを行う。身体を以って紡ぐ・思考することを目指して日々″今日のダンス″を探している。
【杉本音音先生オフィシャルサイト】
https://neonsugimoto.jimdofree.com/
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