前回のコラムでは、「柔軟性とは何か」というテーマで、バレエに対するよくある誤解についてお伝えしました。第2回の今回は、バレエレッスンの中で非常によく耳にするキーワード、「引き上げ」について取り上げてみたいと思います。
バレエのレッスンでは、「もっと引き上げて」「引き上げを保って」などといった言葉が頻繁に登場します。
けれど、いざ「引き上げとは何か?」と問われると、なかなか明確に説明するのは難しいものです。
「引き上げ」とは、単に背筋を伸ばすことではありません。
もっと繊細で、もっと内側から身体を整えるための意識です。
このとき身体の中では、重力に対してまっすぐに伸びようとする力が働いています。
そのとき重要になるのが、「骨盤と肋骨の関係性」です。
具体的には、骨盤の前面にある左右の出っぱった骨(上前腸骨棘)と、その上にある肋骨の下縁──わかりにくい場合は「みぞおち」でも構いませんが、より正確には左右の肋骨のラインを意識することが大切です。
この骨盤と肋骨の2点を、下から上につなぐように意識していく。
すると、体幹の中に1本の軸が生まれ、そこに力が集まる感覚が出てきます。
この“つながり”ができたとき、初めて「引き上がる」という感覚が、言葉ではなく身体の中で理解されはじめるのです。
バレエで求められる姿勢や動きは、見た目の美しさだけでなく、効率的に動ける身体の仕組みを土台としています。
「引き上げ」はその象徴ともいえる要素であり、ただ見た目を整えるためのものではなく、重力に抗わずに立つための、身体の深層から生まれるサポートの力なのです。
スクエアな骨盤と肋骨の位置関係を保ちつつ、その間を引き寄せる。
このとき、決して力でぐっと締めるのではなく、内側から自然に引き合うような感覚が鍵となります。
焦らずに、まずは意識を向けてみることから始めてみてください。
「引き上げ」は一朝一夕で身につくものではありませんが、毎日の中で少しずつ積み重ねていくことで、立ち姿や動きに確かな変化が現れてきます。
バレエジャポン編集部
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