東俊介さん(作曲家・パフォーマー)【バレエジャポン職業インタビュー第2回】

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バレエジャポンにて掲載しておりますバレエ職業インタビューシリーズの第2回目!

今回はなかなか直接お話を伺う機会のない『作曲』をお仕事にされています東俊介さんをお迎えし、作曲家になった経緯から作曲家から見たバレエ、ダンスのお話、そしてスランプに陥った際のお話など貴重なお話が盛り沢山!

現代アーティストの頭の中、そして日常に迫るインタビューとなっておりますので、ぜひお聴き逃しなく!!

【東 俊介さん プロフィール】

1983年生まれ、神奈川県逗子市出身。
7歳からピアノ、17歳から作曲を始める。

2003年に東京音楽大学作曲科へ入学し、同大学卒業後に渡独。ケルン音楽大学の大学院課程、カールスルーエ音楽大学ゾリステンクラッセ課程(州立演奏家資格)を共に最優秀の成績で修了。
アハトブリュッケン音楽祭やヴィッテン現代室内音楽祭など様々な音楽祭で曲が演奏され、ICC国際作曲コンクール<Piano2006>第二位、第11回東京国際室内楽作曲コンクール入選。
第84回日本音楽コンクール作曲部門第一位、合わせて三善賞、明治安田賞受賞。これまでに作曲を池辺晋一郎、遠藤雅夫、Markus Hechtle、Wolfgang Rihmの各氏に師事。
近年はダンサーや画家との共同作業を通して「音と視覚的情報」に注目し、空間に焦点をあて、音と動きを用いた創作活動に力を入れており、2019年には、『経験と体験の交差』を通じて芸術における分野と地域の枠組みん拡大を目的として発足したアートティスト・コレクティブ Crossings を作曲家/森紀明、美術家/山田サトシ、映像作家/中村光男らと立ち上げる。
バレエ安全指導者資格プロフェッショナルコース講師

Crossings YouTubeチャンネルより【流態(ルタイ)~Crossings × accoustic × fluid × space~】

インタビュアーより🎤(バレエジャポン専属アートライター 大海遊楽)

”作曲家”と呼ばれる方々が、今までの私には未知すぎる存在で、もはや何をお聞きしたら良いのか分からない状態でしたが、私の曖昧すぎる質問にも、東さんはとても分かりやすく、丁寧に熱く質問にお答え頂き感謝しております。

急に私の話になってしまい恐縮ですが、数年前に半月版の手術をしました。そのリハビリ中に、何を血迷ったのか不器用なくせにバレエの衣装を作ろうとしたことがありました。結局練習用のボンのみ作って燃え尽きてしまったのですが、作りたかった衣装は『ロミオとジュリエット』のジュリエットの衣装でした。

多分生まれて初めてのちゃんとした創作活動でした。片っ端から『ロミオとジュリエット』について調べ、物語の成立から、バレエが作られてきた歴史まで隅々まで調べました。

そんな中で、こちらも多分生まれて初めて、作曲家と呼ばれるお方を深く掘り下げました。

”セルゲイ・プロコフィエフ”が私が初めてしっかりとクラシックを聞いた作曲家です。

幼少期からバレエを習ってきたので、人よりもクラシック音楽に触れる機会は多かったはずですが、プロコフィエフをしっかり聴くまで、今までいかに音楽を無視して踊ってきたのかを思い知らされました。この時、バレエ以前に作曲家に興味を持っていたように思います。

衣装を作る上で、いろんな分野ごとに『ロミオとジュリエット』という作品や、ジュリエットという少女について研究を重ねましたが、何よりも研究が進まなかったのは音楽でした。

”音楽って目に見えなさすぎるじゃん?!”って思いました。

そしてプロコフィエフに出会ってから、完全にバレエを見る目が変わりました。それまで音楽は脇役だと思っていました。(ごめんなさい。バレエについて勉強不足だったのです…)

音楽は目に見えないものです。そんな当たり前のことに初めて気がつかせてくれたのがプロコフィエフでした。と言うのも、それまでもバレエ音楽は好きでよく聞いていましたが、それは自分が踊る前提での観賞だったことに気がついたのです。それが悪い訳では決してないのですが、それまでクラシックを聴いていると、常に私がいる状態でした。プロコフィエフの『ロミオとジュリエット』が作品として音楽を鑑賞した初めてのものでした。そこに私はいませんでした。

目に見えないもので作品を表すってすごくないですか?すごいですよね!音の力って素敵だなと思います。人間に聴覚があってよかったです。

そんなこんなで、”作曲家=すごい”で終わっていた私にとって、東さんのお話は全てが貴重な気づきの時間でした。

作曲家ならではの独特なお話もありましたが、創作をしていく上での心構えだったり、世界の見方、芸術に対する考えは、どんな表現方法だったとしても共通点が多い印象を受けました。好きなことを好きでい続けるって本当に難しい事です。楽ではありません。そんな中でこれからも音楽について探求されていくであろう東さんのお話は、本当に沢山の方々に届いて欲しいお話でした。

余談になってしまうかもしれませんが、このインタビューをさせて頂く少し前に書かせて頂いた文章で、「バレエが出会わせてくれた人や物事に感謝している」という主を書かせて頂いたのですが、東さんも音楽を通して同じことを仰られていて、とても温かく感じました。

バレエの先生ってよく「音楽聞いて!」と注意しますが、聴き方を教わったことってなかったなと思いました。フィジカル的なものに目が行きがちですが、バレエにとって音楽の力はとても大きいです。フィジカルが出来上がっていたとしても、音楽や芸術的なものに心を揺蕩わせる事が出来なければ、それはバレエとは言わないでしょう。

進路にお悩みの方はもちろん、バレエを頑張っている方々にも、幅広い層にこの動画が届けばいいなと思っております。

素敵なお時間をありがとうございました!

【大海 遊楽 プロフィール】

6歳よりバレエを始める。
2016年14歳 Hearts&MindsBalletConcursにて、ロシア国立ボリショイバレエ学校サマースカラシップを受賞。サマースクールにて年間留学オーディションに合格し、翌年より同校に留学。
バレエ安全指導者資格ベーシックコース修了。
バレエ安全指導者資格認定バレエ姿勢ベーシックインストラクター。
バレエジャポン専属アートライター


バレエジャポン職業インタビューシリーズは、表舞台で活躍するダンサーや生徒の皆様と寄り添い支えていらっしゃる専門職の方々のお仕事の内容や想いを多くの方に知って頂くと共に、進路についてお悩みの若い方、次のキャリアをお考えのダンサーの方々にバレエを踊る、指導する以外のお仕事について触れて頂く機会を提供してまいります。


バレエ安全指導者資格について

『生徒の安全と健康を守るために私たちができること』

バレエ安全指導者資格は先生方が伝えたいバレエの形やそれぞれが学ばれてきたバレエメソッドを尊重しながら、安全に指導することに重点を置いた資格です。

本資格ではじめて身体や心について学ばれる先生方も多くいらっしゃるかと思いますが、医師やスポーツ栄養士、公認心理師などの国家資格をお持ちの先生方から直接身体や心について学べることは特に貴重な体験となるでしょう。

また本資格では座学で知識を詰め込むだけで終わらないよう実際の指導で活かせる身体の使い方やエクササイズ方法を個性豊かで確かなキャリアのある先生方から学んでいきます。

さらにワガノワメソッドチェケッティメソッドバレエの歴史について学ぶことで、伝統あるバレエを受け継ぎ、発展させる者として自覚ある指導者の育成にも務めます。

先生ご自身が自信を持って現場に立つことはもちろんのこと、その現場において生徒や保護者の方々、他の先生方やスタジオのスタッフの方々にも安心して身体を預けていただける頼もしい存在となること。

それが、バレエ安全指導者資格が目指す教師の姿です。

詳細はホームページをご覧ください。
https://safedance.jp/

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