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新国立劇場バレエ団プリンシパル 米沢唯さん
小学校1年生でトウシューズをはいてコンクールに

国内外の数々のコンクールで入賞し、プロとしてのキャリアをアメリカでスタートさせた米沢唯さん。2010年に新国立劇場バレエ団にソリストとして入団すると、翌年には早くも主役に抜擢されました。その後も着実にキャリアを重ね、初演には群舞として出演した『ペンギン・カフェ』で、今年は主要な役どころを踊ります。バレエを始めた頃のことから、コンクールの思い出、プロとしての決意まで、たっぷりと話していただきました。
――バレエを始めたのは何歳のとき、どんなきっかけからだったのですか?
小さな頃から音楽が流れると踊り出す子どもだったようで、そんな私を見た母が3歳のとき、お教室に連れて行ってくれました。初めてクラスを受けたときのことを今でも覚えてるんですが、「1番」と言われて一生懸命みんなと同じポジションをとろうとするのに、なぜか足がインになってしまって(笑)。母はそれを見て、「向いてないからやめさせようかな」と思ったらしいです(笑)。
でも私は踊ることが大好きで、とにかく楽しそうだったからか、先生が早くから選抜クラスに入れてくださって。小学校1年生のときにすでに、トウシューズをはいてコンクールに出ているんですよ。
──1年生でもうコンクールに、しかもトウシューズをはいて!?
はい……ずっと予選落ちなんですけど(笑)。初めて出たときは、「1位はムリでも3位くらいにはなれるかな」なんて思ってたんですが(笑)、まさに井の中の蛙。4年生くらいまでずっと落ち続けていたので、初めて入賞したときのうれしさは今でも覚えています。うちは父も母も賞にこだわらない人たちで、私が良い踊りを踊れたのならそれでいいという考え方だったんですが、このときばかりはその両親も、本人抜きで二人でお祝いのご飯に繰り出したくらい喜んでくれました(笑)。
入賞できるようになったのには、きっかけがあります。あるときから、一生懸命踊ってるのに落ちるということは、レッスンの受け方が間違ってたんじゃないのかなって考えるようになって。それまでの私は、一つのパについて注意を受けるとそこだけを直していました。でも、それがほかのことにもつながってるんじゃないかって、自分の頭で考えるようになってから、少しずつ賞をいただけるようになったんです。
- 1:小学校1年生でトウシューズをはいてコンクールに
- 2:緊張を乗り越えるためには、とにかく練習あるのみ
- 3:プロには向いていない、と感じたサンノゼ時代
- 4:全幕で踊っていると、舞台の上で気持ちが動く