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インタビュー

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チャイコフスキー記念 東京バレエ団 特別団員 小出領子さん

「女の子らしく」~母の願いから始めたバレエ~

愛知県出身。

6歳でバレエを始め、オーストラリア・バレエ学校留学を経て、1997年に東京バレエ団に入団。

早くからソリスト役に抜擢され、2004年12月の『くるみ割り人形』で全幕初主演を果たす。

以降『ジゼル』『眠れる森の美女』『ドン・キホーテ』『ラ・バヤデール』『白鳥の湖』『夏の夜の夢』など数々の作品に主演し、マニュエル・ルグリ、ウラジーミル・マラーホフ、イーゴリ・ゼレンスキー、ダニール・シムキンら世界的ダンサーと共演。2013年4月に退団し、「特別団員」となった。

東京バレエ団のプリンシパル・アーティストとして数々の作品に主演し、愛らしい容姿としなやかな踊り、理知的な役作りで人気を博してきた小出領子さん。この春にバレエ団を退団し、今後は「特別団員」として新たな道を歩みます。地元である名古屋に拠点を移す直前に、これまでのバレエ人生を振り返っていただきました。

小出領子さん
8才の時の初舞台

――バレエを始めたのは、「女の子らしく」というお母様の願いからだったと聞きました。

そうですね、私は4人兄妹の末っ子で、上3人が男の子。母は私が生まれてすぐから女の子らしい習い事をさせたいと思っていたようで、3歳でお琴、6歳でバレエを始めました。でも母の願いとは裏腹に、私はちっとも女の子っぽくはならなくて(笑)。お兄ちゃんみたいになりたいという気持ちが強くて、ピンクのレオタードなんて絶対にイヤ!という子どもでした。

バレエが楽しいとも思えなくて、何度もやめたいと訴えたんです。それで母が出した条件が、「先生より上手になったらやめさせてあげる」と。よし分かった!と思って、やめるためにがんばっていました(笑)。

――嫌いだったバレエを好きになったきっかけは?

ジョルジュ・ドンさんの『ボレロ』をテレビで見たことですね。それまでにも、母はよく有名なバレエ団の来日公演に連れて行ってくれていたんですが、ポワントを履いたクラシックのお姫様には全く興味がありませんでした(笑)。ベジャールさん振付の作品って、「踊り」を超えているんですよね。後に自分でも体験して実感することになるんですが、技術ではなく内面、普段の生活がすべて反映されるんです。ドンさんの踊りからにじみ出るものに、小学生ながら感じるものがあったのだと思います。

――好きになってから、バレエへの取り組み方はどのように変わりましたか?

講習会を受けに行ったり、いくつかのバレエスタジオが合同で行う公演に参加したりするようになりました。はじめは「怖い」と思っていた舞台の楽しさに目覚めたのも、この頃ですね。合同公演だと発表会と違って幕ものができるし、ほかのスタジオのダンサーとの出会いもあります。いろいろなダンサーと触れ合うなかで、自分に足りないものを見つけてプラスしていくという作業が楽しくて、もっと舞台に立ちたいと思うようになっていきました。

でもある時『ジゼル』を踊ることになって、コンプレックスだった丸い顔をなんとかしたいと思ってダイエットしていたら、拒食症になってしまって…。骨格だからしょうがないのに、その時は夢中だから気づかなくて、まだだ、まだだ、という感じでやっていくうちに、体重が20キロ台にまで落ちてしまったんです。踊るどころか、階段1段すら上がれなくなって、2年間バレエから離れざるを得なくなってしまいました。

小出領子さん
小学校4年生の時の小出領子さん

――そんな大変な時期があったのですね。立ち直るきっかけは何だったのでしょうか?

両親や周りの方々が、必死になって格闘してくれました。ああいう時って人の話が耳に入ってこないので、時間はかかりましたが、徐々に私も「治さなきゃ」と思うようになって。やっぱり、また踊りたいという気持ちがあったことが大きいと思います。舞台を観には行っていたので、いつも一緒に踊っていた子たちがいる舞台に自分がいないというのが、悔しかったんでしょうね、きっと。

バレエが再開できるまでに回復した頃、自分を見つめ直すために環境を変えたいという気持ちがあって、海外留学を考えるようになりました。父親には反対されたんですが、雑誌に載っていた募集記事を見て勝手に申し込みをして、「行かせてください」ではなく、もう「行ってきます」と(笑)。その時は1か月の短期留学だったんですが、もう一度行きたくなって、今度は「行かせてください」とお願いしました(笑)。その時の先生の紹介で、オーストラリア・バレエ学校に入ることになったんです。

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