TOPページ > インタビュー > 『白鳥の湖』で飾った初の主役

ノルウェー国立バレエ団プリンシパル 西野麻衣子さん
──ロイヤルで卒業して、そのままプロに転向されたんですか?
はい。色んな所にオーディションに行きました。ヨーロッパの大きいバレエ団にも憧れはあったのですが、色んな団体のレパートリーを見ている中、北欧のカンパニーは中規模だったこともあり、バレエ団と一緒に成長出来るかなと思った事と、国からのサポートが素晴らしいので、そういう所にも魅力を感じて入団を決めました。
──卒業以来ずっとノルウェーで過ごされていますね。
はい。99年からノルウェー国立バレエ団にいます。ヨーロッパに出て来てもう20年にもなりますし、かなりノルウェー人っぽくなってきているかもしれません(笑)。99年当時は日本人のダンサーも一人在籍していたのですが、ほどなくして、日本人ダンサーは私一人になりました。彼女が退団する日はやっぱり寂しかったですが、でも一人だからこそすごく自分も成長できた所もあると今は思っています。
──そこから、プリンシパルへ。入団から何年後のことでしょうか?
入団から6年後、2005年の『白鳥の湖』で初の主役を踊った時にプリンシパルになりました。白鳥の湖の主役というのは、自分の中でのクラシックの夢の作品だったので、すごく嬉しかったですね。その時の千秋楽に、橋本先生と両親が初めて、プロになった私の踊りを見に来てくれました。その時は感動と感謝の気持ちでいっぱいでした。やっと先生と両親に恩返しできたかなと。母は、その時の学生だった私が外国の舞台で主役を踊っている光景を、自分の娘だと分かってはいるけど自分の娘じゃないような、感動と同時に夢の世界にいるようなすごく不思議な気持ちで観ていたと言っていました。

『白鳥の湖』オデット(映画『Maiko ふたたびの白鳥』より)
──思い出深い作品ですね。小さい頃から『白鳥の湖』に思い入れがあったんですね。
『白鳥の湖』は、自分の中で何かスペシャルな意味を持つ作品です。アイリフ(西野さんのご子息)を出産後の作品も『白鳥の湖』で、アイリフのために踊った白鳥でした。小さい頃から漫画やビデオで色んなストーリーを観てきましたし、バレリーナになったらやっぱり1度は『白鳥の湖』を踊りたいと思っていました。何回踊ってもしんどいですが(笑)、いつも違うしんどさを感じています。