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新国立劇場バレエ団研修所 栄養学講師 村田裕子さん
新国立劇場バレエ団研修所で栄養学の教鞭を取る、管理栄養士の村田裕子先生。未来のダンサー達を数多く指導する先生に、ダンサーの卵たちや大人の女性たちにも役立つ、食生活の傾向や課題をたっぷりとお伺いしました。
「特に小学校高学年くらいは、とにかく太ることを気にして無理なダイエットをしてしまいがちです」
──色を考えながら食べる、というのはわかりやすいですね。バレエを習っている子ども達の食生活には、他にどんな傾向がありますか?
特に小学校高学年くらいになると、女子はとにかく太ることを気にしがちの傾向があります。それは、女性らしい大人の体に近づいている証拠なんですけど、お肉は太るから食べない、カロリーを気にしてご飯やパンを食べないなど、無理なダイエットに走ってしまって、食べることに罪悪感を感じてしまう人も少なくありません。成長期には特に、三大栄養素をしっかり、しかもバランスよくとらないともっと太りやすい体を作ってしまいます。お肉はより高いジャンプをするための筋肉を作るのに必要だし、ご飯やパンはハードなレッスンに耐える体力を養うために絶対必要なんです。
──それでも太りたくないという子ども達におすすめの食べ物はありますか。
お肉なら脂肪の少ない鶏むね肉やささみ、牛や豚のヒレ肉がおすすめです。ゆでたり、網焼きにすれば余分な脂をおとすことができるので、よりカロリーも低くなりますよ。パンだったらふかふかの食パンではなくて、食べるのに時間がかかるフランスパンを選ぶとか、それからベーグルみたいな食べ応えのあるものは、満腹感もありますね。ご飯も白米ではなく、玄米や雑穀米を選ぶと栄養価も豊富です。
──お菓子に目が行ってしまう子たちもいますね。
女子だと、やっぱりお菓子を食べたいという欲求が強いと思います。でも、お菓子はダメだというと、余計にストレスになって、もっと食べたいという欲求が強くなってしまう。栄養士の立場としては、太りたくないなら、お菓子のエネルギーを食事にまわして欲しいところなんですけど、私は基本的にお菓子は禁止しません。量と食べる時間帯さえ正しい選択をすれば、お菓子の糖質は脳のエネルギー源になるので、レッスンに集中出来るという長所もありますから。アイスクリーム好きなら、シャーベットのようなカロリーが低いものを選んでとか、極端なアドバイスですけど、どうしてもクリームたっぷりのケーキが食べたくなったら、朝ごはんの代わりに食べてね、と言っています。
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村田裕子さんプロフィール
経歴
1983年
日本女子大学家政学部卒業。食物学科食物学専攻。卒業後婦人画報社入社。ファッション誌、ヴァンサンカン編集部に10年間在籍。ファッション、美容、インテリア等のページの編集に携わる。
1992年
フリーの編集者としての活動開始。念願がかなって料理本の編集を手がけ始める。
1993年
料理への情熱が募り、イタリア、フランス、タイ、香港、京都で本場の料理を極めるべく料理修行を始める。
1995年
料理研究家・栄養士としての活動開始。料理教室『STUDIO IDEA』を主宰。フランチャイズのイタリアン・レストランのメニュー開発、デパートの食品売場の販促企画、パーティのケイタリングやコーディネイトなど、企業関連の仕事に携わる。
2007年
料理研究家・管理栄養士としての活動を開始。
現在
和・洋・中のジャンルを問わず、実践的なレシピをテレビ、雑誌、書籍、新聞、広報誌等で紹介するほか、食品会社および調理器具メーカーの商品開発にも携わる。また、管理栄養士として、「毎日の元気は食生活から」をモットーに、健康とおいしさを兼ね合わせたレシピ開発とともに、ダンサーやアスリートに向けてのスポーツ栄養学は、いま一番力を入れている研究テーマ。材料の数々、種類、調理法、調理時間などを工夫しながら、作りやすいレシピを考案する日々。
2013年から新国立劇場バレエ研修所にて、栄養学の講師を務める。
・ラ・シェーヌ・ドゥ・ロティスール会員
・クラブ・ルミエール会員
・レザミ・ドゥ・キュルノンスキー会員
・趣味:クラシック・バレエ、ゴルフ