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オールジャパンバレエユニオン常任理事・高瀬 元子さん
バレエユニオンコンクール発足のきっかけ

日本のクラシックバレエコンクールの中で最大級の参加数である「オール ジャパン バレエ ユニオン」。
2012年のローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した菅井円加さん、バレエジャポンインタビューでも掲載の阿部夏香さん、左右木茉琳さん、荒井沙也夏さんなど、本コンクールで入賞された多くの方々が、国内海外問わず活躍されています。
今回のインタビューは、主催・バレエユニオン常任理事である高瀬元子先生。
「コンクールへの想い」、「今後のコンクール」のほか、「バレエに対する姿勢がとっても大事」と話す高瀬先生──。これから出場を考えている方に、とっても参考になるメッセージもいただきました。
──バレエユニオンコンクール発足のきっかけを教えてください。
バレエユニオンコンクールは、日本バレエアカデミーから、会長の鈴木彦三さんと、何か新しいコンクールを作ろうと思いはじめたのがきっかけです。
2000年にはバレエユニオン組織を発足させ、2001年から現在のバレエユニオンコンクールをスタートさせました。
会場は当時から、現在と同じ「川口総合文化センター・リリア」です。
今ではとっても人気のあるホールですが、当時はあまり予定が入っておらず、そのご縁もあり、これまでと同じ場所で開催しています。
1回目はまだ、児童・ジュニア・シニアの3部門。「クラシックバレエだけ」という形のコンクールでしたが、300名ほどの参加をいただく事ができました。
現在のバレエユニオンは会期は5日間ほどなのですが、当時の会期はわずか1日。審査も集計も、全て手作業でおこなっていましたから、審査員の方も事務局も大忙しでした。
また、コンクールになるべく良い形で臨んでもらえる願いを込めて別日に開催しているプレコンクール「シミュレーションバレエ」も、この回よりスタートさせているんです。

ご自身のバレエスタジオでの指導の様子
──バレエユニオンコンクールの特徴、また、はじまってから大切にしている事を教えてください。
たくさんの方々が参加されるコンクールで「すべてクラシックバレエだけ」というコンクールは今では少なくなってきていますが、特徴としては、その日の内に審査、結果速報をし、ひとりひとりのデータシートを配布、表彰式まで行うという点だと思います。
他のコンクールでもデータシート配布を行っているところはありますが、バレエユニオンでは全ての参加者の配布物の中に組み込んでいます。
バレエユニオン本大会の部門は、同じ学年で分けられているので「他の頑張っている子達と比べて自分が今どこに居るのか」、「同じ学年の子たちはどの様な演じ方をしているのか」、「これからどの様な目標を立てて練習をしていかなくてはいけないか」など、貴重な機会を自分の目に焼き付けてほしいと言う想いがあるんです。
また大会の運営側としても、地方から参加してくださる方々も多いので、やはり結果をその時に出してあげた方が、次の目標に向かって早く気持ちを切り替えやすいと考えています。当日中に結果まで全員分を出すというのはとても大変なことですが、参加される皆さんに「また新しい気持ちで頑張って」という想いを込めて、お渡ししています。
- 1:バレエユニオンコンクール発足のきっかけ
- 2:バレエユニオンに参加される方々へのメッセージ
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高瀬 元子さんプロフィール
10代の頃よりモダンダンス、フラメンコ、ジャズダンス、クラシックバレエを学び、石川須妹子、庄司 裕、河上鈴子、ジュン・キョウヤ、人間組曲大倉などのリサイタルやパフォーマンスに数多く出演。20代にはニューヨークへバレエ研修に行きジョフリーバレエ団、マーサカニングハム、アルビンエイリー、ルイジスタジオなどで研修を積み、1975年に埼玉県所沢市にてスタジオを開設。生徒の指導と並行して活動。又、その後は余 芳美の教師クラス第9期を卒業、ロシアバレエインスティチュートでボリショイバレエの教授法を学ぶ。娘の雅美さんはボリショイバレエ学校のイリーナ・スイロワ女史に学び、カナダトロントのバレエヨーガンへ入団、現在もトロント在住。他出身者には元宝塚月組真山葉瑠、川口ゆり子シャンプルウエストバレエ団東松由香里、フランスパリコンセルバトワールピアノ教師宮本志津子、元劇団四季工藤朱里、タレントで女優のさとうやすえなど数多く輩出。
2000年オールジャパンバレエユニオン常任理事に就任。
2013年 第7回舞踊文化功労賞 受賞。