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YAGP2017日本予選を終えて
10月末は、YAGPに大阪マラソンと、怒涛の忙しさでしたが少し落ち着いてきました。
私なりにYAGPの総括をしてみようと思い、毎月寄稿していますバレエスタジオミューズのめるまがの原稿に加筆修正して、今回のブログを書いています。

YAGP2017日本予選が終了しました。毎年のことですが、子どもたちや指導者、親御さんのこのコンクールに掛ける想いを現場にいてひしひしと感じました。
Miracle Bodyに来ているなかでもTOP12に入り、そしてスカラシップを貰っている子どもたちもいれば、こうべコンクール等、日本のコンクールの上位常連組でも予選落ち、スカラシップを貰えない子どもたちもいました。
正直、この突きつけられる壁、現実にここ何年も苦慮してきました。
ですが、今年は特に明確な審査基準が提示されたYAGPであったように思います。
というのも決選終了後に、クリストファー・パウニー先生(英国ロイヤルバレエ学校芸術監督)やタデウス・マタチ先生(シュツットガルト・バレエジョン・クランコ・スクール校長)から、将来プロのダンサーを目指すにあたり、基礎の大切さと怪我の予防の為の練習や指導方法に提言がありました。
内容は主に、引き上げやターンアウト、プリエやタンジュに始まるバレエの基礎的な動作を確実にしてから回転等のテクニックを練習、指導してほしいということ、女の子がポワントを履く年齢については足の骨の成長が安定してくる11歳頃を目安にトレーニングを行う必要性があるということ、怪我の予防の為にも、もちろん踊るうえでもプリエやタンジュがすべての基本で、しっかりと安定して立てることが何よりも大事だというお話でした。
当然の内容と言えば当然です。
私もいくつかのワークショップを見学しました。50人以上いるワークショップで、目が行く子、見るに値する子というのは決まってきます。お教室のレッスンならば、一つ一つ止めて丁寧に指導していくのでしょうが、スカラシップクラス(オーディション)に向けたこのワークショップでは、審査員の先生も同じように見ているのだと感じました。
柔軟性(関節の可動域)や筋力等の身体的な条件は当然備えておくべきですが、プリエやタンジュ等の基礎的な動きがどれだけコントロール出来ているか、バーからセンターとアンシェヌマンが進むにつれて、失礼な言い方ではありますが、見る必要のない、脱落していく子が出てきます。
バレエは残酷ですね。
またワークショップでは、音楽性やエナジーといったアーティスティックな部分を多くの審査員の先生が要求している場面に遭遇しました。最終的には、観客を魅了出来る舞台を生み出すのがダンサーの仕事ですからこれも当然ではあります。
回転や高いジャンプは、分かりやすく観客の目を引きますが、忘れてはいけないのはバレエはあくまでもスポーツではなく、芸術だということです。美しくなくてはいけません。
プレパレーションやアームスが汚く、ルルベも低く、8回転ほど回ってはいましたが、音楽を完全に無視してピルエットをしている男の子がいました。
指導している審査員の先生はほとんど無視しているように感じました。
今回のYAGPの提言は、基礎やつなぎの動きの大切さ、そして音楽性や表現の部分を指導出来ない指導者への警鐘であると私は受け止めました。
今回TOP12に入った子でもスカラシップを貰っていない子がいて、予選落ちしても貰っている子がいました。
スカラシップは、バリエーションの評価ではなく、レッスンでの評価なのです。
もちろんバリエーションが評価を受けることは必要なことですが、何を求められているのか?何をするべきなのか?これで答えは自明となりますね。
海外留学への道はもちろんYAGPだけではありません。ですがとても大事なことを教えてくれる、突きつけられるコンクールです。
さあまた来年に向けて歩みを進めていきしょう。
本格的にパフォーマンスのプロフェッショナルを志す、すべての方へ
Miracle Body(ミラクルボディ)はスポーツ障害専門の治療院です。
また障害再発予防のリハビリ、正しい身体の使い方やパフォーマンス向上の為のトレーニング指導にも力を入れ、専門性を追求したダンサー向け、ランナー向けメニューを設けています。
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