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インタビュー

モーリス・ベジャール・バレエ団所属 那須野圭右さん

那須野圭右さん

――ルードラやバレエ団の雰囲気はどんなものだったのでしょうか

うちのバレエ団は、ベジャールさんが大黒柱で、みんながファミリーなんです。バレエ団の人達っていうのは、言ってみればベジャールさんの息子達、娘達。学生は言ってみれば孫達なんですね。だから、よくベジャールさんはカンパニーのみんなを集めるときに、「メゾンフォン(私の子どもたち)」って言うんですよ。

ルードラでの演劇やアフリカンダンス等のゲストティーチャーは、全部ベジャールさんの知り合いなんですが、「うちの子どもたちにちょっと教えてやってほしい」というベジャールさんの要請に応えてどんどん来てくれていました。クロード・ベッシー(パリ・オペラ座バレエ学校元校長)さんとか、(スラミフィ・)メッセレルさんも来ていましたね。来る人来る人が著名人ですから、すごく恵まれていたと思います。

――ベジャールさん自身から学んだことで一番大きなものは?

何かこれ一つっていうことはないんですけど、ベジャールさんと毎日いたということ自体が、勉強であり経験になりました。それを一つの言葉で表すのは難しいことですが、あえて言うなら「自分なりの踊り方を追求していかなければいけない」ということ。

人それぞれやっぱり違うわけですし、同じ身長であっても骨格の違いや筋肉の付き方には違いがあります。誰かと全く同じことが出来るわけでもないし、全く同じことをベジャールさんが追及しているわけでもない。人それぞれに合えばそれでいい。だから、人の真似ではなく自分なりの踊り方を探すということが大切なんです。

――一つ一つの細かいテクニック等ではなく、考え方や精神面において大きな影響があったということですね。

もうちょっとこういう風に回った方が回りやすいとか、つま先を伸ばせ、膝を伸ばせ、というようなことは言われたことはないですね。よく言われたのは、「味がない」という言葉。ファストフードだお前は、って言われましたね。ベジャールさんいわく、ファストフードイコール味がないっていう。

――どんなときに言われるんですか。

例えば、『ボレロ』の一番最初の2人を覚えろと言われたときのこと。いざリハーサルで踊ると、「振りはできてるけど味がない。お前の『ボレロ』はファストフードだね」と。ショックでしたが、じゃあ頑張らなきゃと思いましたね。

その時は順番を覚えて間違えないで最後まで通すことに必死だったので、今思えば当たり前のことなんですけど、味がなかったんです。例えば、フライパンにご飯を入れて、野菜入れて、卵入れて、炒めれば、焼き飯は誰にでも出来る。でも、そこに塩を入れるのか、醤油を入れるのか、お酒入れてみりん入れて、としていくのが味付けですよね。

同じように『ボレロ』もダンサーという最低条件さえあれば、誰にでも出来る簡単な振りです。だからこそ踊るだけだと味がないものになってしまうのですが、うち(モーリス・ベジャール・バレエ団)の『ボレロ』はベジャールさんの味付けがあるので洗練されているんです。

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ルードラ・ベジャール・ローザンヌ在学時代、モーリス・ベジャール氏とのスタジオリハーサルにて

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