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プロジェクトルクト・東日本大震災復興バレエライブ “Rising Sun”

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海外で活躍するアーティスト達が手を取り合って立ち上げ、東日本大震災の復興支援活動を続ける「プロジェクトLUCT」。復興支援のためにダンサー達が出来ること、未来のダンサー達のために海外で活躍するダンサーだから出来ること、日本の芸術振興のために日本人ダンサーだから出来ることとは何か? 来る2014年8月の公演を目前にしたプロジェクトLUCTの片岡直紀さん(シアターリューネブルク/ドイツ)と甘糟玲奈さん(カレリアシアター/ロシア)にお話をうかがいました。

東北への想いから生まれた、新しい試み

──まず始めに、プロジェクト・ルクトという企画はどのようなきっかけで生まれたのでしょうか。

片岡 きっかけは、東日本大震災ですね。僕は当時シンガポールのバレエ団に所属していたんですが、東北のために何かをしたいと思っても、義援金を送るぐらいのことしかできなかったんです。自分のカンパニーを持っているわけではないですし、チャリティコンサートを企画するのが難しい状況でしたから。そうしているうちに、シンガポールのバレエ団を辞めてドイツに行ったんですが、ミュンヘンでピアニストの吉田和彦さんから「今度1回、日本でコラボをしてみませんか?」というお話をいただいて。「ぜひやりましょう」という話になったんです。

──そこで、チャリティ公演のアイデアが結びついたんですね。

片岡 東北のことはずっと頭にありましたからね。早速、公演内容を決める際に「東日本大震災のチャリティコンサートにしたい」という案を説明して。「今回はギャラはないですけど、いいでしょうか?」とお話ししたら、吉田さんの方も問題ないと言ってくださって。「では、ダンサーを集めましょう」ということで、副リーダーの甘糟玲奈さんに声をかけたんです。
甘糟 ちょうど2年前の夏のことですね。

──甘糟 玲奈さんはチャリティ公演のお話を耳にして、最初はどのようなお気持ちだったんですか?

甘糟 震災があったとき、私は疲労骨折をしていてちょうど日本に帰国していたんです。にも関わらず、何もできない自分にずっともどかしさを感じていて…。そんなとき、片岡さんからコンサートの話をいただいたんです。そこで初めて「私たちもこういうことができるんだ」と気づいて、早速チャリティに協力してくれそうな国内外のダンサーたちに声をかけたんです。すると、みんな二つ返事でOKしてくれたんです。あのときは、本当にありがたかったですね。

海外で活動するダンサーで、セミナーを開催

──しかし、通常違って、いろんなバレエ団からダンサーたちが集まるわけですから、苦労も少なくなかったのではないでしょうか。

片岡 幹部メンバー以外は所属しているバレエ団が違いますし、公演の際に烏合の衆の様になってしまうのではないかという怖さはありました。そこで2013年に、公演の資金集めも兼ねて、一度バレエセミナーを開いてみましょうという話になったんです。コンセプトは「海外で活動しているアーティストが日本でバレエを教える」。海外で必修となっているバレエ、バリエーション、コンテンポラリー、キャラクターダンス、解剖学、バレエヒストリー、あとは日本に初上陸となったリンバーストレッチを含めて、計7科目を行いました。

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──非常に濃密なセミナーですね。

片岡 また、受講料免除と宿泊施設の無料提供などの受け入れ態勢を用意して、才能のある子どもたちを岩手県、宮城県から5名選出してセミナーに参加してもらったり。結果的に17名の生徒たちが集まりまして、セミナーは大成功で終わったんです。

──そして、2014年のチャリティ公演が始まるわけですね。

片岡 まずコンサートを行うにあたって、楽曲提供者も振付家も、出演ダンサー、事務局、全員ボランティアという方針でやることにしました。それに加えて、チケットは3000円の価格設定にする。というのも、日本国内のバレエのチケットは比較的高額なので、「上流階級の人たちが観に行くもの」というイメージがありますよね? でも、ヨーロッパではまったく逆で、一般家庭の人の生活に密着しているものなんです。だから今回は、日本のバレエに対する固定観念を壊して、もっと一般の人にも広く観てもらえるようにしようと考えたんです。

──確かに、ヨーロッパでは、バレエも映画もライブも、同じぐらいの値段で観れますよね。

片岡 あと、松根花子は、実は阪神淡路大震災の際に被災した経験を持っていて。そのときに、世界中のダンサーたちが集まって、復興のための公演を開いてくれたそうなんです。それが本当に感動的で「物質的な支援だけじゃなく、心の支援をしてもらった」と今でも強く心に残っているそうなんです。そういう話を聞きながら、彼女の経験をベースにしつつ、今回僕たちが行うコンサートも、被災者と同じ目線で考えられるプロジェクトにできないかと考えていました。

日本から発信する、新しいバレエの形

──また、今回の公演では、岩手県出身の詩人・石川啄木がテーマになっているのも特徴的です。

片岡 最初は「無謀じゃないのか」という声もあったんですが、「一握の砂」という作品を取り上げることで、ドイツの若手振付家のロビーナ・シュタイヤーや櫻井麻巳子、そして僕と、全員の力をコラボさせながら新しいひとつの作品が生み出せるんじゃないかと考えたんです。そこに、アメリカの作曲家のアーガスタ・ロード・トーマスさんに楽曲を提供していただいて、クラシック/ネオクラシックとコンテンポラリーを両方見せられるような世界観を作りました。

──あまり例を見ない新しい取り組みですよね。

片岡 日本人は、意外と自分たちの国のことを知らないじゃないですか。特にバレエはヨーロッパが中心なので、バレエという視点からはあまり国内の文化に意識を向けづらい現状があると思うんです。でも、ちゃんと目を向ければ、東北にもすばらしい文化がありますからね。また、今回のプロジェクト・ルクトでは、東北から日本に、日本から世界に発信できる強いメッセージが必要だったので、日本文学や日本文化にテーマをしぼって、第1回目の試みとして石川啄木の「一握の砂」を選びました。

──とはいえ、このような新しい作品を作るわけですから、いろいろなご苦労があったかと想像します。

片岡 ロビーナと僕は同じカンパニーに所属していますが、櫻井麻巳子は別のカンパニーにいるので、時間を合わせるのが大変でしたね。休日を削ってお互い行ったり来たりすることは当たり前で、時間がないときは、スカイプ上で「こういうライティング使いたいんだけど、どう思う?」「ストーリー構成はこうしたほうがいいと思う」と意見交換をしながら作っていきました。ロビーナが「啄木の五七五七七のリズムの意味が理解しづらい」というときは、ドイツ語が堪能な櫻井が細かいニュアンスを説明してくれたりしました。

世界中の観客たちを、東北へ!

──一方、今回の公演は、新作の「一握の砂」とバレエ・ガラの2部構成となっていますね。

片岡 今回の作品にはキャラクターグループも登場するんですが、去年マーク・ドボルスキー先生が来日したときに生徒を数名ピックアップしていったんです。その際「ぜひ来年、この子たちをあなたたちのガラで踊らせてもらえないか」というお話をいただきまして。しかも7人ピックアップしたうちの4人の生徒が被災者で、さらに今回は被災者の方を300名ほどコンサートに招待することになっていたので、彼らが踊ることによって、観客の人たちにも勇気を与えることができるんじゃないかと考えたんです。

──キャラクターダンスを日本で行うというのも珍しい試みですよね。

片岡 キャラクターダンスを行うことが、新しいムーブメントに繋がっていくのではないかと思ったんです。今回のコンサートは、1回公演して終わりというものではなく、長期にわたってプロジェクトを継続させていきたいという想いがあります。そしていずれは、被災復興記念のシアターを東北に建てるのが目標です。そうすれば、観客たちが東北へ足を運ぶきっかけになりますし、東北に注目してもらう大きなチャンスにもなるはずです。実は僕も元々は秋田人ですので、東北スピリットがあるんです。

次世代の世界的なダンサーを育てるために

──最後に、今回のプロジェクトに取り組んで、どのようなご感想をお持ちですか?

片岡 最初に行ったバレエセミナーでは、ヨーロッパの提携校に生徒をひとり送り出すことができました。そもそも、被災地ではまだバレエをする環境が整いきれていなく、ダンサーを目指す子たちの練習場が確保できていないのが現状です。しかも、このような震災後の空気感の中にいて、「私は今バレエをやっていていいんだろうか?」と悩んでしまう子どもも少なくありません。実際、今回セミナーに来た子たちの中には、バレエを一緒にやっていた仲間が津波で流されて遺体で見つかったという子もいましたから。

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でも、彼らに夢を諦めさせないために、やはり僕たちが何かをしなければならないんです。その点、僕たちは海外でのコネクションや、海外での留学経験を持っていたりする。その経験を活かして、彼らの才能を世界に送ることは可能なんじゃないかと思うんです。次世代のアーティストたちを、東北から積極的に育てる、というか。

──本当の意味でのグローバルな人材を育てることにもなります。

片岡 海外では最近、大きいバレエ団同士が併合になったり、新しいバレエのスタイル、新しいコンテンポラリーのスタイルが入ってきたり、バレエを巡る状況が著しく変化している時期です。そういう海外のシーンの活きた情報を生徒たちに伝えることができたというメリットもあったと思います。そういう意味では、やはり大成功だったと実感していますね。

Project LUCT presents
Ballet Summer Live 2014
東日本大震災復興 バレエライブ “Rising Sun”

【公演情報】

【★One@theBallet】

8月1日(金)12:00開演(11:40開場)

特別イベント公演は、前半バレーダンサーの素顔が見られる(日頃のトレーニングのお話や、実際にバーレッスンからセンターレッスン)
後半はブルースシンガーで、セラピードッグと共に活動されておられる著名な大木トオル氏の特別講演と2部構成の公演になっております。
料金は2,000円。

※【Rising Sun】と【★One@theBallet】のセット券の料金は4,000円。

公演種類 公演日 開始時間
特別イベント公演 8月1日(金) 12:00開演 (11時40分会場)
Premier 8月1日(金) 18:30開演 (18:00開場)
第2回公演 8月2日(土) 13:00開演 (12:30開場)
第3回公演 8月2日(土) 17:00開演 (16:30開場)

【世界初演作品:The Handful of Sand 石川啄木の「一握の砂」をテーマに】
楽曲提供: Augusta Read Thomas(米作曲家)
振付・演出: Robina Steyer (独)、櫻井麻巳子、美良々橋モヨ子
ピアニスト: 横路路子

*被災された方150名ご招待

場所:セシオン杉並(東京都杉並区)

詳しくはこちら
http://projectluct.wix.com/projectluct#!2014/cvvj

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