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指導者インタビュー

神澤千景バレエスタジオ主宰 神澤千景さん

神澤千景

愛知県名古屋市にある神澤千景バレエスタジオの壁には、主宰の神澤先生が自ら書いた「心」という書が掲げられています。1997年10月、それまでダンサーとして活躍してきた先生が過去を振り返り、自分自身が踊る際に一番大切にしてきたことは何かを考えたとき、浮かんだのがこの言葉でした。テクニックだけが評価されると思われがちなコンクールでも、大切なのはやはり、心──。「コンクールは成長のチャンス」と語る先生に伺いました。

「心」という書に込めた想い

――「心」という書に込めた思いを改めてお聞かせいただけますか?

私は3歳からずっとバレエ一筋で生きてきて、名古屋の松岡怜子バレエ団で踊っていました。スタジオを開校して第二のバレエ人生を生徒のために懸けてみようと決めたとき、思い浮かんだのがこの言葉。といっても、バレエは心だけで踊れるものではありません。容姿などの条件、テクニック、音楽性……いろいろなものが必要。でも私は、条件や技術がそろっていなくても、キラキラしたものを持っていることって、やっぱりとっても大切だと思うんです。

長谷川元志
2012年のNBA全国バレエコンクール・シニア男性の部1位のほか、数々のコンクールに入賞し、プロのダンサーとしても活躍中の長谷川元志さん

――コンクールで入賞することだけを目標にしていると、忘れがちなものかもしれないですね。

そうですね。コンクールは、技術的にも精神的、肉体的にも自分を成長させてくれる場。でも結果だけを重視すると、入賞できないからといってバレエ自体を諦めたり、反対に賞をいただけたことに満足して情熱を失ったりしてしまうこともあるんです。だからうちの教室では、コンクールに出たいという生徒からの希望は聞いていません。この子はコンクールを次の一歩につなげられるな、と私が判断した子にこちらから声をかけて、その子もやりたいと言った場合にだけ挑戦させることにしています。予選に通らないと分かっていて、まだ技術の足りない子をあえて出したり、入賞経験のある子に今までとは全く違う曲を踊らせたりして、勉強させることもあります。

自分自身をコントロールする力の大切さ

――予選落ちの経験から学べるのは、どんなことでしょうか?

まずは、自分のことは自分でやる、ということ。楽屋にはお母さんは入れませんし、海外のコンクールにも基本的には一人で行ってもらっていますから。周りの上手な子を見て刺激を受けたり、ワークショップなどで自分の課題を自分で見つけられるのも、コンクールならではですね。それに、たとえ失敗しても最後まで踊りきるという経験は、必ず成長につながります。床や照明など、舞台の条件はコンクールによって違いますから、その中で常に一定のレベルを保てるようにするにはやはり経験しかない。自分自身をコントロールする力は、バレエ以外の場面でも必ず役立つはずです。

――コンクールのためのレッスンは、通常のレッスンとどこが違うのですか?

主にヴァリエーションの練習をしますが、時間に余裕があるときや、コンクール直前は普通のクラスをします。そういうときは、私は逆に、いつもよりも簡単なことをやらせるんですよ。きちんと床をすって、5番ポジションをきっちり入れて、足も高く上げるのではなく、自分で自分の体に話しかけながら神経を使って丁寧に動かす。上達するのはやっぱり、そういうシンプルなことを飽きずにやり続けられる子です。レッスンで一つひとつのパをきちんと身につけられれば、あとは本番でいつも通り踊るだけですから。

桑原沙希
2012年のNBA全国バレエコンクール・中学生女子3年生の部1位のほか、数々のコンクールに入賞している桑原沙希さん
休む勇気を持つこと

――体調管理やケガ予防のためにアドバイスをすることはありますか?

休む勇気を持ちなさい、とは言いますね。小さい頃は私も狂ったように稽古をしましたから(笑)、稽古をしてないと不安になってしまう気持ちはよく分かるんです。でも、無理は禁物。ケガも同じで、正しい動きをしていればしないはずなんですが、特に条件が悪い子なんかは、無理してアン・ドゥオールしようとして痛めてしまったりします。もちろん、「私は条件が悪いから90°しか開きません」で通用する世界ではありませんが、少しずつ少しずつ開いていけばいいんです。あとはやはり、汗をかきますので、水分をとることは大事だと思います。

――本番前の生徒さんには、どんな言葉をかけていますか?

生徒によって違いますが、みんなに言うのは、音楽を体で感じて、心を解放して…でも床だけはちゃんと押して!と(笑)。「とにかくのびのび、思いっきり踊っていらっしゃい」と言います。舞台の上で頼れるのは、自分自身しかいません。ミスしてもいいから、自分の踊りをしてほしい。このコンクールはこういう曲や衣裳が受けるとか、コンクールに振り回されることなく、先生と一緒に頑張ってきた成果を見てもらうと思って、自分を信じて「心」で踊ってほしいですね。

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神澤千景さんプロフィール
経歴
松岡怜子バレエ団付属研究所でバレエを学ぶ。全国舞踊コンクール第1位・文部大臣奨励賞・第2位、こうべ全国洋舞コンクール第2位、世界バレエ・モダンダンスコンクール第3位など、受賞多数。谷桃子バレエ団での研修、カナダのロイヤル・ウィニペグ・バレエ団への客演などを経て、松岡怜子バレエ団のプリマバレリーナとして数々の作品に主演。ロシア、中国、アメリカ公演にも出演した。1996年に退団し、翌年に神澤千景バレエスタジオを開校。近年は多くのコンクールで審査員も務めている。

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